PHASE-44「螺旋の邂逅」

PHASE-44「螺旋の邂逅」感想

 地球軍の強化パイロット三人組+ナタルの指揮するドミニオンとの激しい戦いの中、キラはバーサーカー状態(種が割れる絵が映って、操られているような瞳になって、やたら強くなる状態)になる。それにつづいてアスランも。
 ジャスティスとフリーダムに乗ったこの二人がバーサーカー状態になってしまえばこれはもう無敵、地球軍3人組なんて目じゃない、という風になるかと思ったのに思いのほかキラとアスランは苦戦している様子。ちょっと不満。どう考えてももっと強いはずだろ?と思う。

 ところで3人組の乗ってる3機のモビルスーツ、「トランスフェイズ装甲」とか言ってた?フェイズシフト装甲と違うの?なんか言葉の意味は似たような感じだけど。でも言われてみるとあの3期のモビルスーツが「フェイズシフトダウン(エネルギーが切れて装甲が効果を失い、灰色になる状態)」を起こした所を見た事が無いような気がする。フェイズシフトダウンは起きないのかな?(まあ、エネルギーが無くなればビームも撃てないようだし、戦えなくなるのは一緒だけど。)

 まあ、何装甲か知らないけど、「ビームを曲げる」盾を持っていて、防御力の高さでは定評があったフォビドゥンガンダム。今回初お目見えのジャスティスガンダムの武装、ビームブーメランの攻撃を食らって、初めてダメージを受けていた様子。何で今回はダメージを受けたんだろう?射撃攻撃のビームは防げるけど、格闘攻撃のビームは防げないの?よく分からない設定だなあ。(まあ、弱点が無いと困るけど。)

 一方、ムウ・ラ・フラガとラウ・ル・クルーゼ、この二人の宿命の対決が始まっていた。宿命のライバルと言う感じの二人だが、この二人が直接戦った回数は少ない。もしかして、2話に一回あったきりではなかっただろうか?
 そのときの勝負は、ラウが優勢だった。ラウの操るシグーは、ムウの操るメビウス・ゼロの攻撃ユニットを一つ、また一つと破壊していった。なんだ、ムウってあんまり強くないんだ?と思ったりもしたが、相手が――ラウが――強いのだろう。多分、メビウス・ゼロを操っているのがムウではなかったら、攻撃ユニットなど無視されて一気に本体を破壊されて片がついていただろう。ムウの戦闘・操縦技術に確かな物ががあればこそ、ラウは攻撃ユニットを一つ一つ破壊すると言う戦い方をしなければならなかったのだろう。
 ともかく、宿命の対決は再び始まった。ラウが操るのはゲイツ。ザフトの最新主力もビルスーツ。対するムウが操るのはストライクガンダム。ストライクの装備の中で最高の攻撃力をもつ(と思われる)ランチャーパックを装備している。ゲイツの強さは未知数だが、攻撃力では負けていないだろう。この勝負、どうなるかまったく分からない!
 …と思ってみていると、しばらくは互角に戦っている様に見えていたのだが、あっという間にストライクがやられてしまった!そんな馬鹿なー!ムウ、何やってんの?何でー?
 これはつまり、ザフトの新型もビルスーツ、ゲイツがそれだけ強いと言う事なのか?と思っていたら、キラがその場にフリーダムで駆けつけてきた!先制攻撃でゲイツの右腕を武器ごと破壊!
 キラのフリーダム、vs、ラウのゲイツ!新たな戦いが始まった!ムウのストライクをいとも簡単に撃墜して見せたラウのゲイツはキラにとっても侮れない強さの敵のはず。この戦いも目が離せない!
 …と言う感じで、期待してたのに、決着は一瞬でついた。瞬殺である。キラがラウを。フリーダムがゲイツを。
 そんなのって有りか?キラは強い!と言いたいのかもしれないけど、キラが一瞬で倒したラウにあっという間に負けたムウの立場はどうなるの?
 って言うかさ、ラウの立場もかなり危うい。キラ+アスランのコンビで、地球軍3人組とはほぼ互角の戦いを演じていたのである。仮に、彼らの強さを数字で表すと、キラ、5、アスラン、4、二人合わせて9。地球軍3人組はひとり3、3人合わせて9、と言う所だろうか。
 で、この分でいくと、キラに一瞬で倒されたラウはいいとこ2か1だろう。それよりも弱かったムウなんて0.5かそのぐらいになってしまう。
 って事は何か、ラウもムウも、地球軍の強化パイロット一人よりも弱いのか?それはあんまりじゃないだろうか。
 思うに、製作側としては、どうしてもラウとムウ、キラの3人をモビルスーツから降ろして、あの研究所のような場所に行かせたかったのだろう。たぶん次回にはラウが驚愕の事実をキラとムウに告げるのだ。あの研究所のような場所は少なくともキラにとって(そしてたぶんムウにも)因縁のある場所なのだろう。
 とにかくそういう展開にしたくて、そのためにムウもラウも撃墜された事にしてしまったのだ。その事によってキャラクターの強さの評価がどうなるかなんて気にせずに。こういうことは止めて欲しいなあ。

 ところでラウが爆弾発言してたね。「子が親に勝てるはずが無い」?ムウがラウの子?まあ、一般的な意味の親子ではないだろうけど。クローンか何かかな?ラウがコーディネーター(であろう)なのに薬を飲んでたのと関係があるんだろうな、きっと。

 一方、ドラマチックに再開を果たすイザークとディアッカ。無線で話が出来るみたいなのにイザークが攻撃するに任せていたディアッカは何を考えていたんだろう。すぐ激昂する傾向のあるイザークに自分の立場をどう説明すればいいかで悩んでたのかな。(戦いのさなかに悠長な…。)
 まあ確かに、「アークエンジェルの通信担当に好みのかわいい女の子がいたので守ってやる事にした。」と本当のことをいうわけにもいかないだろうけどね。
 でも、デュエルガンダム(withアサルトシュラウド)とバスターガンダムが向かい合って立っていて、その足元にイザークとディアッカの二人が降り立ったカット、なかなかカッコよかった。ちょっと印象に残ったよ、これは。
 


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